原発テレビの荒野

政府・電力会社のテレビコントロール

原発推進テレビ映像の数々、そのなかでも製作されてきた反原発番組、その理不尽な仕打ちを追い、テレビメディアの歪みを照射する。

著者 加藤 久晴
ジャンル 政治・社会・労働
出版年月日 2012/04/10
ISBN 9784272330744
判型・ページ数 4-6・248ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税)

テレビが真っ当に原発と向き合っていたならば、原発事故は起きなかったのではないか。原発推進テレビ映像の数々、そのなかでも製作されてきた反原発番組、その理不尽な仕打ちを追い、テレビメディアの歪みを照射する。

第Ⅰ章 地ならしされて“一望の荒野”に─大量のCMと広報番組

Part1  大量の原発CM
寒いアイディア 
8電力の原発CM 
原発を投げる 
お母さんは原発か 
やらせメール発覚 
得意技はスリカエ 

Part2 広報番組の手練手管
嘆きと猿知恵──PAへの疑念 
▼科技庁特番への猛反発 ──『ケント・ギルバートの不思議なエネルギーの話』
ケント、福島原発を称賛/アメリカの策略?
▼仰々しく原発内部を公開 ──『原子炉のふたが開くとき』(フジテレビ)
炉心に近付く/定番の海外ロケシーン/決まらない核廃棄物の行方/スウェーデンではNO
▼温暖化批判を切り口にする──『ラインのさざなみ』(テレビ新潟)
風力発電の挫折?/原発とCO2
▼構えだけは立派だが ──『プルトニウム大国・日本』(NHK)
日本だけが何故?/イギリスの撤退/コストだけが問題か?
▼狙われる「原子力の日」のテレビ ──『あまから問答』(テレビ朝日)他
新聞も雑誌も/注目すべきTBS
▼ドキュメンタリーと称するが ──『いま原子力発電は…』(テレビ東京・1997年)
福島第一原発へ/広報番組の限界
▼監視と抵抗 ──『考察・エネルギー事情』(読売テレビ)他
記者クラブを身体検査/関西電力の監視/ゲストは御用評論家/覆面スポンサー/ヒモ付き番組を暴く/反原発CMを拒否/年末の10大ニュースへの干渉/電力会社は何様なのか?

第Ⅱ章 荒野のなかの警告映像──予告されていたメディアの位置
映像から学ぶ 
▼弱腰のテレビ局に挑む女子アナ──アメリカ映画『チャイナ・シンドローム』(J・フォンダ主演)
取材中に原発事故/元原潜艦長の反抗
▼プルトニウム工場からの叛旗 ──アメリカ映画『シルクウッド』(M・ストリープ主演)
核汚染への不安/ミニスカの活動家
▼“原発ムラ”の心中事件 ──日本映画『原子力戦争』(原田芳雄主演)
乗りこむチンピラヤクザ/しなやかに・したたかに
▼国会で偏向攻撃の滑稽 ──NHKテレビ『核戦争後の地球』
原発を核攻撃/右からのバッシング/NHKの反論

第Ⅲ章 荒野にも星は輝く ──真っ当な番組たちの闘い
Part1 称讃と報復
▼プルトニウム報道への異常反応 ──『プルトニウム元年Ⅰ?Ⅲ』(広島テレビ)
市民サイドに立つ/船名を隠す輸送船/プルトニウムの軍事利用/ラ・アーグの再処理工場/美しく短い生涯/ロックンローラーも反対/六ヶ所村の核燃施設/核大国? ニッポン/称讃と抗義/NHKが嫌がらせ
▼北からのレジスタンス ──『核まいね①?⑦』(青森放送)
科技庁からの介入/ぶれない姿勢/参院選挙で大勝/制作部を解体

Part2 住民たちは選んだ
▼えげつなき原発立地 ──『能登の海 風だより』(石川テレビ)
厳しくも豊かな自然/ダーティな裏工作/原発撃退
▼住民投票に密着 ── 『原発に映る民主主義』(新潟放送)『国策を問う町』(テレビ新潟)『原発のムラ・刈羽の反乱』(新潟放送)
初めての住民投票/豪華施設への疑惑

Part3 反原発は深夜、ローカルで
▼批判の先に究極の安全 ──『なぜ警告を続けるのか』(毎日放送)
クーラーはいらない/なぜ助手のままなのか/熊取6人組の由来/続いている“一望の荒野”

第Ⅳ章 荒野を緑野に ──3・11以降と今後
爆発映像のショック 
責任追及報道はゼロ 
消えないムラの影響力 
パージされる芸能人たち 
原発会見芸人 
山本太郎を押さえこむ構成 
拒絶の理由は“意見広告”  
放送委員会とBPO 

あとがき 

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