『不可視の性暴力』訂正と正誤表

2016年8月24日発行の田中麻子著『不可視の性暴力――性風俗従事者と被害の序列』(第1刷)に下記の誤りがありましたので訂正いたします。


『不可視の性暴力』正誤表(pdf)

 

関係者の方々、および読者の皆様に、謹んでお詫び申し上げます。




(今回訂正部分)

●227頁 注17

(誤)重刑 → (正)量刑
 
●298頁 6行目~7行目、および注1

(誤)「性犯罪者の再犯率は他の犯罪に比べて高く、特に加害者が若年層であればあるほど再犯率が高 いとされている(注1)。」
(注1)牧野雅子は、若年性犯罪者の再犯率が高いことを指摘したうえで、一般的に加害者が若年である場合は刑が軽くなったり更生がより期待されたりする日本の「重刑事情」との齟齬を問題視している(牧野 2013: 201)。

(正)「このような流れは、性犯罪者の再犯率が高く、特に加害者が若年層である場合の再犯率が高い という認識に支えられている(注1)。」
(注1)性犯罪者の再犯については、強姦と強制わいせつの同一罪名再入者(再入罪名と前刑罪名が同じ受刑者)の割合が殺人や強盗よりも高いことや、性犯罪の有前科者の初回の性非行・性犯罪時の年齢は29歳以下の若年層の占める割合が高いこと、性犯罪の中でも「小児わいせつ」「痴漢」などの反復率が高いことが指摘される一方、強姦や強制わいせつの同一罪名再入者の割合は窃盗、覚せい剤取締法違反より少なく、入所受刑者総数の再入者率と比べると顕著に低いなど、性犯罪の再犯率が低いことを示すデータもある(法務省 2015)。性犯罪者のステレオタイプが強化されることで、性犯罪者の更生・厳罰化を求める動きが特定の被害者のみ保護対象とする傾向へとつながることを危惧する声もあるが、「加害責任」を直接的に追及する方法を模索した本節では、更生プログラムと厳罰化の内容に言及するにとどめたい。なお、牧野雅子は、矯正機関においては若年性犯罪者の再犯可能性が高いと認識されていることを指摘したうえで、一般的に加害者が若年である場合は刑が軽くなったり更生がより期待されたりする日本の「量刑事情」との齟齬を問題視しており(牧野 2013: 201)、今後の課題である。

【文献】法務省(2015)「第6編 性犯罪者の実態と再犯防止」『平成27年版 犯罪白書 性 犯罪者の実態と再犯防止』


※「再犯率」や「他の犯罪」を明示していなかったこと、「若年層であればあるほど」といった不適切 な表現をお詫びするとともに、訂正させて頂きます。

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